
現役エンジニアが語るSES営業に求めること7選
現役で活躍するシステムエンジニアの声を参考に、SES営業に求めることを7選を集めましたので、是非エンジニアとのコミュニケーションで役立てて下さい。
1. 技術的な知識を持っていること.
最も重要なのは、SES営業自身が十分な技術的な知識を有していることです。
要件定義書を読んで内容を理解でき、設計やアーキテクチャについても何のモデルを採用しているかも理解できると良いでしょう。
具体的には、プログラミング言語やフレームワークの特徴、DBの構造、インフラ環境の違いなど、技術の中身を熟知していることが求められます。
そうでないと、適切なスキルセットを持つエンジニアの選定ができません。
また、クライアントの要件に対してプロジェクトの詳細な情報をエンジニアに正しく伝えることができなければ結果として、ミスマッチが生じてしまい、プロジェクトの早期退任などエンジニア側からの信頼も得られなくなってしまいます。
2. プロジェクトマネジメントの知識.
システム開発プロジェクトでは、要件定義からテスト、リリースまでの一連の工程(フェーズ)があります。
SES営業は、こうしたプロジェクト全体の流れを理解しているべきです。
エンジニアが参画するのはどのフェーズなのかによって必要なスキルや経験が異なるため、SES営業は各フェーズの特性やプロジェクト遂行における様々なリスクについても認識しておき、発生した際の対処法を事前に検討しておく必要があります。
例えば、要件定義フェーズでは、ビジネス要件を正確に理解し、システム要件に落とし込むスキルが求められます。
この段階でエンジニアを投入する場合は、要件定義の経験豊富な人材が適任です。
一方、設計・実装フェーズでは、アプリケーションの設計力とコーディング力が重視されます。
テストフェーズに入ると、ソフトウェアテスト技術に長けた人材が不可欠になります。
自動テストやパフォーマンステストなど、様々なテスト手法の知見が求められるためです。
また、リリース後のシステム運用フェーズでは、障害監視・対応、パッチ適用、セキュリティ対策など、システム保守・運用に精通したエンジニアが必要不可欠です。
このように、プロジェクトの各フェーズで求められるエンジニアのスキルは大きく異なります。
SES営業はそれらを十分に把握し、各フェーズに適したエンジニアを適切に手配できるよう心がける必要があります。
3. フォロー体制の充実度.
プロジェクト開始後も、SES営業のフォロー体制は絶対に手を抜いてはいけません。
エンジニアが現場で遭遇した問題や課題に対して、きめ細かく対応できる体制が求められます。
定期的にミーティングを設けるなどして、現場の状況を把握し続けることが大切です。
スケジュールの遅延、要員の追加、スキル不足などの問題が発生した場合には、迅速に対策を立てる必要があります。
フォロー体制が不十分だと、エンジニアは現場で孤軍奮闘を強いられ、プロジェクトの質が低下する恐れがあります。
その結果、エンジニアの士気が下がり、モチベーションを維持できなくなってしまいます。
このようなリスクを防ぐため、SES営業には問題への早期対応と、エンジニアへのバックアップ体制の強化が求められています。
4. 長期的なキャリア支援.
エンジニアにとって、新しいプロジェクトの参画は、自身のキャリア形成支援にも大きな期待があります。
SES営業は単発の案件紹介にとどまらず、長期的な視点でエンジニアのキャリアをサポートする姿勢が重要です。
具体的には、エンジニアの強みやスキルレベルを正確に把握し、その人物に合った最適なキャリアパスを立案・提案することが求められます。
単に稼働するだけでなく、長期的なスキルアップの機会を設けることで、エンジニアの成長を後押ししていく必要があります。
例えば、若手エンジニアにはマネージャー経験を積ませたり、ベテランにはアーキテクトへのチャレンジの場を用意したりと、個々人のキャリアプランに応じた適切なプロジェクトを提案していくべきです。
加えて、最新の技術動向を把握し、スキルアップのための研修機会などを積極的に設けることも重要です。
こうした長期的なキャリア支援に努めることで、エンジニアからの信頼と定評を確立できるはずです。
5. フェアな人員マネジメント.
SES営業には、様々なスキルを持つエンジニアを公平・公正に扱う力が求められます。
優秀なエンジニアばかりに良いプロジェクトを回すのではなく、能力に応じてフェアな案件割り当てを行うべきです。
また、キャリアアップの機会を等しく提供し、エンジニアの成長を後押しする姿勢も大切です。
単に稼働率を上げるだけが目的ではなく、個々人のスキル向上を適切にフォローすることが重要になります。
一方で無理難題を押し付けるようなこともあってはなりません。
SES営業は自身が抱えている戦力を上手く配置するディレクターとしての意識が必要です。
クライアントの要望とエンジニアの能力を的確に見極め、双方のニーズをうまくマッチングさせる力量が求められます。
6. タイムリーな情報共有.
エンジニアはクライアントの執務場所に常駐することが多いため、SES営業と比べてプロジェクトの展望や自社の情報をキャッチアップするタイミングが遅いです。
そのため、SES営業は最新の情報をタイムリーにエンジニアに伝達する必要があります。
プロジェクトの進捗状況、クライアントの要望の変更、自社の方針転換など、関連する重要な情報は速やかに共有されるべきです。
遅れが生じると、エンジニアが的確な判断や対応を行えなくなる恐れがあります。
また、必要な情報が届かないことでモチベーションが下がるなど、様々な弊害が生じかねません。
7. エンジニアへの感謝.
最後に、SES営業にとって欠かせないのが、エンジニアへの思いやりや感謝の気持ちです。
どんなに高額な案件を獲得したとしても、エンジニアの尽力なくしては何も成し遂げられません。
エンジニアの苦労や尽力に対して、単に金銭的な対価を払うだけでなく、言葉で労いの意を示したり、困っていることはないか気遣いをしたり、商品ではなく仲間としての敬意が求められます。
また、プロジェクト成功時には、エンジニアに十分な評価とボーナスを与えることも重要です。
SES営業が全てを自分の手柄と主張するのは本末転倒です。
あくまでエンジニアの力に支えられていることを自覚し、謙虚な姿勢を忘れてはいけません。
8. まとめ.
以上が現役のエンジニアから見たSES営業に求められる7の大切な要素となります。
エンジニアとのコミュニケーションをとる際、これらのポイントを思い出して接することで、エンジニアからの信頼と絆が一層強まり、良好な関係が築けるはずです。
SES営業が成功するためには、お金だけでは成り立たない、人と人との繋がりを大切にすることが何より肝心なのです。