1.コミュニケーション能力が低い

クライアントがSESエンジニアに求めるのは、技術力だけではありません。技術力が高くても、チーム内の連携やクライアントとの打ち合わせで意思疎通が取れないエンジニアは敬遠されがちです。
「報告・連絡・相談」ができないと、プロジェクトの進行にも影響を及ぼします。
SES営業は、エンジニアに対して日頃からヒアリングを行い、コミュニケーションの問題点を把握することが重要です。特にクライアントとの打ち合わせ前にロールプレイを実施し、伝え方をトレーニングすると良いでしょう。

2.学習意欲が低い

IT業界は日々進化しており、学習を怠ると技術が陳腐化してしまいます。新しい技術やトレンドに興味を持たないエンジニアは、クライアントの求めるスキルセットに適応できず、採用が難しくなります。

優秀なエンジニアは、自己啓発に積極的で、技術ブログの執筆やOSS活動への参加、技術カンファレンスへの参加など、様々な方法で知識を吸収しています。SES企業としては、社内勉強会の開催や資格取得支援、技術書籍の購入補助など、エンジニアの学習意欲を高める環境作りが重要です。
また、クライアントのプロジェクトで使用される新技術について、事前に学習時間を確保することで、スムーズな参画と高いパフォーマンスを実現できます。エンジニアの成長をサポートすることは、クライアントとの長期的な信頼関係構築にもつながります。

3.プロジェクトへの責任感がない

納期を守らない、タスク管理ができない、途中でプロジェクトを投げ出すなどの行為はクライアントにとって大きなリスクとなります。
そのため、タスク管理ツールの活用、週次での進捗報告会の実施、明確なマイルストーンの設定が重要です。特にアジャイル開発では、スプリントごとの目標設定と振り返りを通じて、継続的な改善とチーム全体の成長を促進できます。
SES企業としては、プロジェクトマネジメントのトレーニング提供や、経験豊富なメンターによるサポート体制の構築を通じて、エンジニアのプロジェクトマネジメントスキル向上を支援することが望ましいでしょう。

4.スキルシートの内容が実態と異なる

スキルシートに記載された技術レベルと実際のスキルに差がありすぎると、クライアントからの信用を失います。面談時やプロジェクト参画後に発覚するとクライアントからの信頼を失います。
SES営業として、エンジニアと事前に面談し、スキルシートの内容を正確に記載することが求められます。特に、「実務での活用経験」「自己学習による知識」「チーム開発での役割」などを明確に区分し、具体的なプロジェクト事例と共に提示することで、クライアントの期待値と実態のギャップを防ぐことができます。

5.ネガティブな発言が多い

職場環境や仕事に対して不満ばかりを口にするエンジニアは、チームの士気を下げ、クライアントの評価も悪くなります。モチベーション維持のために、定期的な1on1ミーティングの実施、目標達成時の適切な評価、キャリアパスの明確化が効果的です。

また、エンジニアの良い点を積極的にフィードバックすることが重要です。そして、プロジェクトが抱えている問題解決に向けた具体的なアクションを取るよう促すことで、職場環境への不満も改善される可能性があります。

6.協調性がない

個人の技術力が高くても、チームワークを乱すようなエンジニアは採用されにくいです。SESの現場では、クライアント先の社員や他のSESエンジニアと協力することが求められます。特にクライアントやリーダーの指示を素直に聞かず、自分のやり方に固執するエンジニアは、協調性が低いとみなされます。
SES企業としては、チーム開発スキルの向上を支援し、エンジニア間のコミュニケーションを促進する機会を積極的に提供することが望ましいでしょう。技術力とチームワークの両面で優れたエンジニアを育成することで、クライアントに真の価値を提供できます。

7.短期間でプロジェクトを転々としている

エンジニアの経歴が「短期間で複数の現場を転々としている」と、クライアントは「すぐに辞めてしまうのでは？」と不安に感じて採用が難しくなることがあります。
SES営業は、転職の背景をしっかりとヒアリングし、クライアントに納得してもらえるような説明を準備することが大切です。また、エンジニア自身にも、長く働ける環境選びの重要性を伝えることで、安定したキャリア形成をサポートできます。

8.長期的なキャリアビジョンがない

目の前の業務に追われるだけで、将来のキャリアについて考えていないエンジニアは、成長意欲が低いと判断されがちです。キャリアプランを意識させるために、定期的な面談を行い、中長期的な目標設定を支援すると良いでしょう。エンジニアの希望に合わせた案件を提案することで、モチベーションの向上につながります。

9.セキュリティ意識が低い

IT業界では情報漏洩やサイバー攻撃が増加しており、セキュリティ意識の低いエンジニアはクライアントにとって大きなリスクとなります。問題点として、機密情報のずさんな管理、基本的なセキュリティ知識の不足、フィッシング詐欺への無防備さ、セキュリティポリシーの無視が挙げられます。

SES営業は、セキュリティ研修の実施、クライアントのセキュリティ要件の確認、エンジニアの意識評価を行い、適切な人材を提案することが重要です。企業の信頼を守るためにも、エンジニアの教育と指導を徹底しましょう。

SES営業にとって、クライアントが「採用したくない」と考えるエンジニアの特徴を理解することは、適切なマッチングを実現する上で非常に重要です。SES営業は、エンジニアのスキルや適性を正しく把握し、クライアントの期待に応えられる人材を提案することが求められます。
そのために、日頃からエンジニアとの対話を深め、キャリア支援や研修制度の充実を図ることが重要です。適切なサポートを提供し、エンジニアの成長を促すことで、クライアントとの信頼関係を強化し、長期的なビジネスの成功につなげていきましょう。