
エンジニアのスキルシートの書き方と読み解き方を徹底解説!
しかし、スキルシートの読み解き方のポイントを押さえれば、難解なスキルシートであっても面談で恐れることはありません。
そして、SES営業はスキルシートの書き方についても知っておく必要があります。
なぜなら、エンジニアのスキルシートは商品カタログのようにエンジニアの印象を決める重要なツールとなるからです。
エンジニアはスキルシートに自身の強みや経験、知識、能力などを記載しますが、せっかくの強みや欲しい情報の記載が少なかったり、自己PRが書かれていないこともあります。
そのため、SES営業が案件の通過率を上げるため、修正版をエンジニアに提案するシーンもあり、書き方も重要です。
本記事では、エンジニアのスキルシートの書き方と読み解き方のポイントを徹底的に解説します。
1. スキルシートの書き方.
スキルシートは、一目で内容が把握できるように構成を意識する必要があります。
インターネットには様々なテンプレートがありますが、構成としては以下の項目を設けることをおすすめします。
・基本情報(名前、連絡先など)
・保有資格
・実務経験
・スキル一覧(プログラミング言語、フレームワーク、ツールなど)
・受賞歴や出版物
・自己PR
また、実務経験やスキル一覧については、採用担当者がもっとも興味を持つ部分ですので、これから解説するポイントに注意し、必要な情報が伝わるように記載してください。
1-1. スキルは明確にする
スキルシートはスキルが想像し易いように、具体的にどのような技術を使ったのか、プログラミング言語やフレームワーク、使用したツール名など記載することで、エンジニアの実力が伝わりやすくなります。
悪い例: Webアプリケーション開発を経験
良い例: Java、Pythonを使ったWebアプリケーション開発経験3年
1-2. できる限り定量化する
コーディングしたステップ数や、スキルの経験年数など数値にできるものは定量的に記載しましょう。
数値化された実績やスキルレベルを示すことで、自分の経験や能力が一目でわかるようになります。
曖昧な表現だとスキルがイメージできず、定量的に記載されたエンジニアのスキルシートと比べて根拠が弱く見えてしまいます。
また、Webアプリケーションであれば、PV数やユーザー数を記載すると、どれくらいの規模のシステムを開発したのか業績が具体的にイメージしやすくなります。
良い例:
・JavaScriptのスキルレベル:上級(経験年数5年)
・過去に構築したWebサイトの最大PV数: 120,000PV/月
・開発手がけたシステムのユーザー数: 80,000人
1-3. 自己PRにはエピソードやストーリーを書く
その際、エンジニアの強みや魅力がどのようなシーンで発揮できるのか、採用担当者がイメージできるように具体例なエピソードやストーリーを交えて記載すると良いでしょう。
良い例:
・オープンソースプロジェクトに継続的に貢献しており、コミットへのレビューを通じてコードの品質向上に努めている。
・個人でWebサイトを構築し、デザインだけでなくパフォーマンス面での工夫も行った。モバイル対応にも自主的に取り組んだ。
・プログラミングコンテストで入賞経験があり、論理的思考力と高度なコーディングスキルを備えている。
以下にスキルシートのサンプルを記載しますので、テンプレートの参考としてください。
名前: 鈴木 一郎
生年月日: 1990年11月5日
連絡先: hanako.suzuki@example.com
保有資格
・基本情報技術者試験 合格 (2015年)
・OCJP (Oracle Certified Java Programmer) (2017年)
実務経験
2018年10月 - 現在: ZZZZZ株式会社
・大手小売業向けECサイト開発プロジェクトに従事(Java、Spring Framework)
・フロントエンド実装からバックエンドロジック、データベース設計までを担当
・アジャイル開発手法を導入し、2週間スプリントでの開発を実施
2016年4月 - 2018年9月: XXXXXX系システム会社
・生命保険システムの保守開発業務に従事(Java、COBOL)
・既存システムの改修やバグ修正対応を担当
スキル一覧
【プログラミング言語】 Java (6年)、JavaScript (4年)、SQL (4年)、COBOL (2年)
【フレームワーク・ミドルウェア】 Spring Framework、Hibernate、Apache Tomcat
【クラウド】 AWS (EC2、S3の利用経験あり)
【その他】 Linux、Git、SVN、Oracle DB、MySQL
受賞歴
2021年 ZZZZZ社 優秀プロジェクト賞受賞
自己PR
システム開発の上流工程から下流工程までを経験してきたことで、開発全体を通してのプロセスを理解しています。新しい技術にも積極的に挑戦し、常に成長を続けていきたいと考えています。今後はクラウドネイティブなアーキテクチャに精通し、より高度で大規模なシステム開発に携わりたいと考えています。
2. スキルシートの読み解き方.
スキルシートの書き方と同じく、読み解き方についてもポイントがあります。
SES営業は採用担当者の視点でスキルシートを読む立場になって、以下の観点で内容を見ていく必要があります。
2-1. 実務経験の重視
実務経験を重視する エンジニアの能力を判断するうえで、最も重要なのが実務経験です。
プロジェクトへの従事期間、開発手がけたシステムの規模、役割、実績など、実務経験に関する記載を重点的に確認しましょう。
2-2. 強みの確認
個人の強みに着目する 各人の強みを見極めることも大切です。
スキルシートに書かれた強みが、具体的な経験やエピソードとリンクしているかどうかをチェックします。
また、強みが説得力のあるものかも判断材料となります。
2-3. 技術スタックの分析
技術スタックを分析する エンジニアとしての技術力を把握するには、スキル一覧の内容を読み解く必要があります。
プログラミング言語、フレームワーク、ツールなどの技術スタックが、期待するスキルセットと合致しているかを確認します。
さらに、それぞれの習熟度合いも重要なポイントです。
2-4. 成長志向性の確認
成長志向を見極める スキルシートを読み解く際には、成長志向を持っているかどうかも見極める必要があります。
例えば、新しい技術への関心度合いを示す記載があれば、積極的に新しいスキルを習得しようとする姿勢がうかがえます。
成長志向は、長期的な観点で重要なスキルです。
2-5. 全体のバランスの評価
全体のバランスを評価する スキルシートの内容を細かく分析するだけでなく、全体のバランスを評価することも忘れてはいけません。
ある分野に偏っていないか、技術スキルと人間力のバランスは適切か、キャリアプランにブレがないかなどをトータルで確認する必要があります。
3. まとめ.
スキルシートは、エンジニアの保有スキルやキャリアを正しく示すための重要なツールです。
書き手としては、スキルを効果的にアピールするための工夫が求められます。
一方、読み手としては、記載された情報をきちんと分析し、エンジニアの資質を正しく捉える力が必要となります。
また、スキルシートは一度書けば済むものではありません。
キャリアが進むにつれ、内容を適宜更新していく必要があります。
新しい経験を積んだり、新たなスキルを身につけた際には、スキルシートを見直して最新の状況を反映させましょう。
また、スキルシートを通して将来のキャリアビジョンを明確化することもできます。
長期的な視点でキャリアを描き、それに向けてどのようなスキルを身につける必要があるかを整理できます。
スキルシートは、単なる実績の羅列ではなく、キャリア形成における重要なツールとしても機能するのです。
SES営業がスキルシートの意義と活用方法を理解していれば、エンジニアの適切な評価につながり、質の高い人材マッチングが可能となるでしょう。