【2024年版】注目の脆弱性と最新サイバーセキュリティ対策まとめ

【2024年版】注目の脆弱性と最新サイバーセキュリティ対策まとめ

 発売日: 2025/3/28 更新日: 2025/2/20
「サイバー攻撃なんて、うちの会社に関係ない」そう思っていませんか?

しかし、実際には中小企業でも被害に遭うリスクは高まっています。


2023年には国内の人材紹介会社がサイバー攻撃を受け、25万件の履歴書情報が流出する被害がありました。

サイバー犯罪組織の狙いは大企業だけでなく、中小企業や個人までと広がっているのが実情です。


本記事では、最新のサイバーセキュリティ動向と注目される脅威、効果的な対策について、実例を交えてわかりやすく解説します。

少しの心がけで被害リスクを大幅に下げられます。

自社の大切な情報資産を守るため、ぜひサイバーセキュリティ対策を見直してみてください。

1. ランサムウェアに注意!身代金要求で被害が深刻化.


ランサムウェアとは、パソコンやスマホなどにウイルスが感染し、大切なデータを暗号化して身代金を要求するマルウェアのことです。

世界的に見ても2023年は、特にランサムウェア攻撃が目立った1年になっており、被害額は過去最高の1,600億円と言われています。


しかも、ランサムウェアは身代金を支払ったとしても復旧が保証されるわけではありません。

ランサムウェアの攻撃を受けると、事業活動に甚大な影響が出るリスクがあります。

ランサムウェアのリスクを防ぐためには以下のような対策が有効です。

 ・マルウェア対策ソフトを導入し、自動更新を有効にする

 ・重要データはクラウドなどに確実にバックアップを取る

 ・ランサムウェア対策の訓練を行い、被害に備える 

2. あなたの会社のソフトウェアは大丈夫?脆弱性はサイバー攻撃の標的に.


脆弱性とは、システムやソフトウェアに存在する欠陥や弱点のことで、悪用されるとセキュリティ上の問題につながる可能性があります。

脆弱性の原因や種類には主に以下のようなものがあります。

 ・権限の設定不備

 ・暗号化の不備

 ・設計上のミスや不具合

 ・サービス運用の不備


これらの脆弱性を悪用すると、不正アクセス、情報漏えい、サービス妨害など深刻な被害が発生する可能性があります。

そのため、ソフトウェア開発においては脆弱性対策が非常に重要視されています。


脆弱性を無くすために、セキュリティ担当者は定期的に以下の対策を行う必要があります。

 ・OSやソフトウェアを最新バージョンに更新する

 ・信頼できるベンダーやサイトから情報を入手し、脆弱性の有無を確認する

 ・自社のWebサイトに脆弱性がないか診断をする

また、ソフトウェアやシステムの脆弱性はパッチ適用などである程度対策できますが、人的脆弱性への対策は容易ではありません。


人的脆弱性を解消するには、従業員一人ひとりのセキュリティ意識を高める教育が不可欠です。

単に脅威を説明するだけでなく、実際の攻撃事例を示し、危機意識を持たせることが大切です。

例えば、標的型メールの見分け方や、不審なメールを発見した際の対処法、実践的な訓練を行うことも有効です。

3. クラウドサービス導入時の注意点.

クラウドサービスの利用が一般化してきたことで、関連するセキュリティ対策の重要性も高まっています。

クラウドならではの脅威として、データ漏えいや不正アクセスのリスクがあります。

2021年3月には大手電機メーカーが利用しているOffice365への不正アクセスにより、1,115件の取引情報や個人情報が流出する事態に見舞われました。

原因は、運営企業のセキュリティ設定の不備にあったとされています。


クラウドを安全に利用するためのポイントは大きく分けて2つあります。

1つ目は、クラウドベンダー次第で、サービス自体がしっかりとしたセキュリティ対策を講じているかをチェックすることです。

2つ目は、利用者側での対策で、アクセス権限の適切な設定、マルチファクター認証の導入、データの暗号化などが求められます。


特にビジネスでクラウドを活用する場合は、これらのセキュリティ対策を怠らないよう注意が必要です。

個人でも、クラウドの利用目的に合わせて対策のレベルを高めていく必要があるでしょう。

4. 悪意がなくてもデータ流出!内部不正対策にも注力を.


サイバー攻撃の脅威は外部だけでなく、内部から起こるリスクも無視できません。

2023年には大手通信会社子会社の派遣社員が個人情報をUSBで持ち出し、私物のパソコンからデータが流出、プライバシー侵害や社会的な信用失墜につながりました。


このような内部不正を防ぐには、従業員の入念なチェックと権限管理が重要です。

採用時の聞き取りや身元確認をしっかり行い、在職中もアクセスログを監視して不審な行為が無いかを注視する必要があります。


さらに、情報漏えいへの抑止力を高めるため、就業規則への罰則明記や、定期的な教育によるルール徹底化も有効な手段です。

たとえ内部の人間による不正であっても、被害の未然防止と早期発見に努めることが重要になってきます。

5. ゼロトラスト時代のセキュリティ対策.


近年、サイバーセキュリティの考え方として「ゼロトラスト」が注目されています。

ゼロトラストではネットワークの内外を問わず、すべてを「信用するな」と考え、厳格にアクセスを制限・検証していく発想です。


具体的には、二段階認証の導入、暗号化の徹底、アクセス権限の最小化などが基本的な対策になります。

さらに、人工知能を活用したユーザー認証や、行動分析によるリアルタイム監視なども有力な手段として台頭してきています。


ゼロトラストのメリットは、万一の内部不正や外部攻撃があっても被害を最小限に食い止められることです。

運用時の手間は増えますが、ゼロトラストに完全に準拠することで、サイバーセキュリティを飛躍的に向上させることができます。

中小企業においても、計画的にゼロトラストへの移行を検討すべき時代が到来しています。

6. まとめ.

サイバー攻撃への対策は、システムだけでなく人的側面対策の両輪でなければ実効性がありません。

ソフトウェアの脆弱性へのパッチ適用や、ファイアウォール、アンチウイルスソフトの導入といった対策は確かに重要ですが、人的側面を無視してしまっては、セキュリティ対策の大きな盲点となってしまいます。

従業員一人ひとりのセキュリティ意識を高める教育や、不審な行為を見逃さないための体制作りを同時に行うことで、より強固な対策が可能になります。


情報システムが事業に深く関わる現代社会において、サイバーセキュリティ対策は避けて通れない経営課題の1つです。

ぜひ本記事を参考に、自社のセキュリティ体制を見直していただければと思います。